雁行陣の都市伝説「前衛三角ぐるぐる」~大人女子ダブルスでは機能しない理由

ポジション取り

ダブルスの雁行陣の前衛は「ペアがレシーブの時、①サービスライン上にいて、ボールとともにネットに詰めて②一旦ストレートをケアし、相手後衛にプレッシャーを掛けるために③センターに寄ってから、相手前衛のポーチに備えてまた①サービスラインに戻る」のように、ポジション①→②→③をぐるぐると三角形に回っていると考えている方が多いのではないでしょうか。確かに、この動きは”やりがい”はあります。運動量が多いので、疲れますし、ボールに触る機会の少ない前衛でも、参加している感はあるでしょう。

でももし、一生懸命この動きをやっているのに、ポーチに出ることも、相手のポーチをブロックすることもできないとしたら…?

ぜひ一度立ち止まって、この記事を最後まで読んでみてください!

大人女子ダブルスでは「リターンキープ」が主流になっている現実

 
テニスには「サービスキープ」という言葉があります。プロの試合などでは「サービスゲームをブレイクされた」という解説があると「これは窮地なんだな」と感じますよね。そのくらい、サービスゲームを取得するのが前提=”サービスがいい”ことが前提とされています。

ところが、です。大人女子ダブルスではリターンゲームをキープを基準にゲームを組み立てるペアが多いのが現実です。それは、「サービスよりもリターンの方が安定している」プレーヤーが多いためです。リターンはポジションも選ぶことができますから、ベースラインからしか打てないサーバーよりも優位に立てる部分もあります。

もちろん、サービスが得意な方もいます。でも、7~8割がた、リターンキープでゲームは進みます。だとすると前衛のスタート位置「ペアがサービスだから前に詰める」、「ペアがリターンだからサービスラインに下がる」の前提が既に崩れているのです。

大人女子ダブルスはプレイスメントでゲームが動く


大人女子ダブルスで三角ぐるぐるが機能しないもう一つの大きな理由は、大人女子ダブルスでは「ショットで勝負しない」という側面があります。

雁行陣前衛の基本の動きとされる三角ぐるぐるには、先ほどの「サービスキープ」同様、後衛のショットが、相手を「押す」という大前提があります。後衛同士のラリーがお互いに相手を「押して」「押されて」必ずそのリズムで早いうちにチャンスが来るという前提です。


大人女子ダブルスでは、ショットで押すと言うより、プレイスメントの組み合わせでポイントを取っていくイメージです。その分、前衛の動きにも大胆さよりも繊細さが求められるのです。大人ですからね。

三角ぐるぐるが機能しないあるある

大人女子ダブルス特有の事情

 
大人女子ダブルスは、ラリーが長めです。高めの中ロブが、前衛の斜め上を飛び交います。前衛は「何かしなくては」と焦りを覚えます。でも、三角にぐるぐる動いている人は、ラリーが続けば続くほど忙しいので、割合気がつきません。ただ、長いラリーの中で、ラリーのリズムにきちんと合わせて三角に動くのは至難の業です。まず、遅れます。長いラリーの挙句に、相手のポーチをブロックすべきタイミングでネット近くに立っていて、あっけなく決められてしまったことのある方。反省しましょう。

ポジションにクセがついてしまう

 
「三角に動かなくては」と思っている前衛はポーチに出なくても、センターに寄ります。これはなかなかやっかいで、このタイミングでストレートに打たれると必ず抜かれます。

また、ペアにも「また、出ないんかい」と知らないうちに不信感を植え付け、相手にも「あの人センターに寄ってくるけどまずポーチしないから」とポーチ出る出る詐欺認定されている可能性が高いのです。自覚しましょう。

今日からできる、ぐるぐるしないシンプル前衛ポジション

動くのは前後2歩ずつ


基本のポジション「サービスラインとネットの中間」に立ち、前に詰める時も、後ろに下がる時も、最大2歩までと決めます。それも「攻めよう、攻めたい、攻める!」と思った時だけ前に2歩、「ポーチに来そう、打たれる、怖い」と思った時だけ後ろに2歩、その他は、ずっと同じポジションにいます。

その代わり、頭の中はフル回転です。そうです。大人女子ダブルスでは、頭の中身(心の叫び?)を全て出した動きをしないのです。「攻めてます」「守ってます」を動きで表すことをやめましょう。

メリハリのある前衛になる

 
動かないでいることで、後衛との守る範囲が明確になります。また、ネットに詰めるタイミングが早くなるので、ポーチのタイミングが掴みやすくなります。そして何より、相手がよく見えるようになります。これがとても大切です。ボールを持っていない分、相手の様子を見て、ラリーの「攻守」を見極めなければなりません。


動くことに一生懸命になっていると、相手の様子がわからない=自分のポジションが決められない現象が起こります。「流れ」で動かず、「状況に合わせて」動きましょう。

怖い、と思った時は思い切って下がるもあり


すごく積極的な前衛のいるペアと対戦することもありますよね。どんなボールでもポーチに出てくるような。そんな時でも、ルールのように「前にいなくちゃ」と思うことはありません。

並行陣には、二人ともベースラインに下がる「2バック」という戦法もあります。とにかく、ノータッチエースにさせず、何とか相手コートに返していけば、活路が開けることがあります。

ベースラインまで下がらなくても「前に詰めない」という選択をすることもありです。

よくある質問

Q.相手にポーチを決められることが多いです


A.リターンとしては、コースを変えることが難しければ高さを考えてみてはどうでしょうか。あまりに前衛を避けるとサイドアウトしてしまいそうですよね。

また、ポーチが決まる時、リターンが悪いと考えがちですが、前衛のポジションが前過ぎる、またはサイド過ぎるのかもしれません。ポーチにかかっても、何とか返球できると思えば、リターンのプレッシャーも減りますので、前衛のポジションも見直してみましょう。

Q.ストレートロブを抜かれます


ベースライン上のボールは後衛が、前方を前衛が守っている雁行陣では、ロブは後衛に任せることが多くなります。でも、あまりに後衛の負担が増えるのは考えものです。

前衛が、ロブが多いのに、ネットに詰めていて、上を抜かれ続けるのは、後衛に舌打ちされても仕方がない状況です。ロブが多いと思ったら、スタートのポジションを下げて、何本かは前衛が触っていかないと、相手がのびのびロブを上げてきます。前衛のスタートポジションを、状況によって変えることができているか確認してみましょう。

H1まとめ 

まとめ

今回ポイント3つ


1.三角ぐるぐるは大人女子ダブルスには機能しにくい
2.基本の動きは前後に2歩ずつ
3.状況の読める、メリハリのある前衛を目指す


ずっと習慣としてやってきた動きとして身についてしまっている方は、今、見直してもいい時期にきているかもしれません。体力も気力も限られています。一緒に近道を進んで行きましょう!

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